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すべてのマルチメディアコンテンツをさまざまなメディアプレイヤーで再生するための共通基準がなければ、デスクトップパソコンがラジオやテレビに取って代わるのはむりだ。
この状況を改善するには、コーデックのライセンスをひろく交換して、アップルのいう緊張緩和を実現するしかない。
だが、J氏がM社との驚くべき停戦を宣言したにもかかわらず、アップルはE氏を敵とみなしていた。
それどころか、C社の重役たちから見ると、E氏は、アップルをせつついて、メディアプレイヤーの市場を奪い取ろうとしているマイクロソフトへの協力を(というか共謀を)取りつけようとしているにすぎなかった。
1997年8月の会議では、アップル側から、クイックタイム開発の指揮をとるS氏と、クイックタイムの設計者であるH氏も出席した。
彼らによれば、E氏はこんなことをいったらしい。
M社は、クイックタイムがウィンドウズで使われて困っており、これをウィンドウズの領土への侵略とみなしている。
アップルがメディアプレイヤーの市場から撤退するなら、われわれとしては、アップルがマルチメディアコンテンツの制作に使われる(はるかに小規模な)ソフトウェアシールの開発をしてもいっこうにかまわない、と。
H氏の話では、彼が、M社はアップルに赤子(クイックタイムのこと)をナイフで殺せというのかとたずねたら、F氏はそのとおりだとこたえたという。
E氏は、そんなやりとりはいっさいなかったし、自分とF氏は、アップルとM社で統合マルチメディア・ランタイム(ウィンドウズ用の再生テクノロジー)を開発する可能性をさぐっていただけだと反論する。
基本になるのはもちろんダイレクトXだが、そこにクイックタイムのテクノロジーを取りこむのだ。
E氏はさらに、M社はマック版ダイレクトXの開発も考えていたと認めている。
このときを含めた数度の会議のあいだ、アップルの代表たちは、E氏に対して、マイクロソフトはダイレクトXのいくつかの部品をはずして、かわりにクイックタイムを導入するべきだと主張していた。
ビースティ・ボーイズがダイレクトXの開発でかなりの高得点をあげていたことを考えると、ばかげた提案だった。
ダイレクトXは、コンピュータゲーム業界を変えたテクノロジーとして高い評価を受けていたし、いまではウィンドウズに組み込まれているのだ。
E氏は、ノーという返事を受け入れられないたちだった。
そこで、9月になるとふたたびコーデック交換の申し出をおこなった。
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